宮本浩次ソロ活動の感想です

宮本浩次さんのソロ活動が一区切りつくとMUSICAのインタビューで読んだので、改めてふたつほど感想です。

 

①ソロツアー中のインスタグラム「旅日記」を全部削除したことについて

私は基本的に誰のどういう行動も発言も「なんか理由があるんだろうな」と受け止めるのですが、旅日記の削除についてはモヤモヤしたまま受け止め切れずにいます。

47都道府県のコンサート会場を本番前に宮本さんが案内する動画で、会場内部や会場から見える景色を見せてくれるのがとても楽しかったんですよ。建築物やお城についてのコメントに宮本くんの知性と感性が感じられて、日本全国ホール探訪記としてもとても素晴らしかった。建築や美術に興味のある人が後々見てもとても興味深い資料になると思います。

動画としての質の高さに加えて、宮本くんてこんな穏やかな人だったんだ!と私は結構びっくりしていました。若い頃からall day all night不機嫌なイメージを抱いていてそれでも好きなんですけど、この柔らかい雰囲気の宮本くんは更に好きになるというか、ほんとに素敵な男の人なんだなあと感嘆したのですよ。

アーティストのよい宣伝材料になる動画をさくっと消してしまって、宮本浩次の魅力を世に広めようとは思わなかったのでしょうか。ツアーDVDにダイジェスト版が収録されてはいますが建築物にあまり興味がない切り取り方になっているような気がしました。いつでも気軽に見られる良さも失われてしまって、淋しさというか空虚さが心に残っています。まあ、なんか理由があったんでしょうけど、と諦めるしかないか。

 

②2022年ソロツアー→野音→カバーアルバムの流れについて

ツイッターではソロツアー後はエレカシの情報が来ると期待していたファンが結構いて、カバーアルバムというソロ継続の情報に少々動揺した意見も見受けられました。私はこの辺りはアバウトというか「カバー第2弾なんだ、そうなんだ。へえー」くらいで見せられたものをそのまま受け入れるだけというノンポリではあります。

でも、今年の野音を見ていると、宮本くんのソロ活動が増えたことはエレファントカシマシの友情が強まったというか、何か友情のような新たな感覚に4人が目覚めたんじゃないかなと思っています。

宮本くんはソロ活動を始める際のインタビューでは理由を聞かれて歯切れの悪い返答をしていたように思えました。ためらいの理由はソロ活動をしたら見捨てられるのは自分の方ではないかとどこか思っていたのではないかなと考えていました。

バンドの誰かがソロ活動をする、特に作詞作曲を請け負っている人がソロをやると、他のメンバーを見捨てて自分だけ利を得るかのようなイメージを世間一般は持ちますよね。そうとは限らないと思います。宮本くんに利を貪る印象が無いというファンの勝手な推測に過ぎないですが、テレビに出てもアルバムの宣伝をしないし、自分の魅力を伝える動画もあっさり消してしまうし、もう少し利益とか得になることを考えたら?と言いたい時が多々あります。

つまり、ソロ活動を続けるということは個の追求ではなく、確信を得たのだと思うんですよ。バンドもファンも世間も誰も離れたりはしない。だから安心してソロ活動ができる。カバー曲だけのコンサートもできる。バンドでやりたいことにも焦点が定まる。そういうことじゃないのかなと思います。

世の中に自分が求められてたくさんの愛情を受けていることにようやく気がついたか、というのがソロを見て思ったことですが、若き日の宮本くんだったら怒りそうなこの感想を今年の締めにしたいと思います。

エレファントカシマシを長年熱愛しているファンより。

 

 

このブログを読んでくださっている皆様おひとりおひとりにもご挨拶申し上げます。今年もありがとうございました。来年もよろしければお読みくださると幸いです。

よいお年を。