2023まとめ

今年最後の更新です。

今年はエレファントカシマシのステージを30年振りくらいに見られて幸せでした。会場で足元からエレカシの音が立ち上がってくるのを感じつつやっぱり好きだなあと思いました。

石森くんがツイッターを始めたことも嬉しかったのですが、ええと、なんといいますか、石森くんは手ごわい。と正直思いました。

私は仕事で常にお客様の意向を聞き出さないといけないので、人を見る時に「この人にどう接していけば胸襟を開いてくれるか」を模索します。その視点から、石森くんは手ごわいと感じたのです。

ツイート内容は写真か動画に自分たちの歌の歌詞のみ。写真はツアーメンバーが多く、被写体への愛情を感じます。が、石森くん自身の言葉はありません。今日は寒いね暑いねみんな元気?程度でいいのに、それすらも無い。素の言葉がゼロの相手から考えを引き出すのは困難を極めます。

こういう相手には少しずつ言葉をかけて、時間もかけて、固い大地を耕すところから始めます。現実に会う相手であれば、表情が緩むのを見逃さないようにして、いつでもなんでも受け入れますよと押し過ぎないように言葉にするのですが、石森くんにはツイッターでコメントすることしかできないので、とりあえず可愛らしいファンに徹して顔文字を交えて明るめのコメントをしております。

石森くんさあ、前にNHKで4人で野音でインタビュー受けてた時はさあ、NHKの聡明そうな綺麗な女性アナウンサーさんと並んで歩きながらなんか話してたよね?当時、宮本のインスタに写り込む時は後ろ姿だけでファンには顔も見せないのにその感じのいいアナウンサーさんとは並んでおしゃべりするんだ、ふーん、そう、そういう人なんだ、へーえ。と若干嫉妬の気持ちを抱いたものですが、こういうことを言って追い詰めると余計口を閉ざしてしまいそうな感じがするので、戦略上ニコニコと可愛いコメントをするのです。いつか石森くん自身の言葉がつぶやかれるその日を夢見て。

コメント欄を読んでないかもしれないですが、万が一目にした時に明るい言葉があった方が気分がいいだろうとも思うので、普段素敵な音楽を聞かせてくれてるお礼も兼ねています。

冨永くんも高緑くんもSNSを始めてほしいです。SNSには人格が反映されると思っているのでどんな人たちなのか深く知りたいです。石森くんも結構変わった人だなと思ったけど、より好きになったよ。どんな君らでも愛せるからファンの可愛いお願いを聞いてくれ。

 

それから、スライダーズの武道館で宮本さんを見かけたことについて書いておきます。プライベートでいらしていたので描写するのは失礼なことだとは思いますが、どうしても書きたかったのが、身体に独特の軽みがあったことです。痩せているからではなく、重力を感じない体だと思いました。ステージでの印象とは違いました。

私は階段の下から3段目くらいにいて、すぐ横の通路を宮本さんが歩いていったのですが、2メートルも離れていなかったと思います。宮本だと認識して正味5秒くらい、息を止めて自分を無にして観察に徹しました。ほやっと笑う顔が可愛いとかの感情は後からやってきて、ああ、軽い、体がとても軽い、とそれだけを認識しながら通り過ぎていく背中を見送りました。

ていうか、30年振りのスライダーズでなんで宮本を見てしまうかな、とも思った。今日はスライダーズ兄さんたちと久々に会えるーとかウキウキしていた気持ちをすべて押し流すように「おまえが好きなのは俺だろ」と言わんばかりに宮本本体が歩いてきたので、着席しても気が動転していたし、ハリー兄さんが歌い出すまでドキドキしてどうしようもなかった。スライダーズの音を聴いたらなんとか落ち着きました。

 

最後に1988年渋谷公会堂ライブを映画館で見たことについて。

今の私の年齢でデビュー当時のエレカシを見ると、いかにも未分化の青年たちだなと思った。まだ何者でもない、何者にもなれる年頃。宮本くんのトークも若干ウザがらみウザ太郎なところがありますよね。上着を片づけてくれたら「ありがとう」、観客から声がかかったら「ありがとう」って言いなさいっお礼を言って損することはないのよって今の私だったら宮本小僧に説教しそう。それでうるせえって大反発されそうだな、などと思いつつ、「夢の中で」の「明日のことなど 考えずにそうさ 考えられずに」のくだりではふるふる震えるくらい魂を奪われた。

ちょっと解説していいでしょうか。ビートルズの「Help!」の歌詞で

When I was younger, so much younger than today

のところですが、When I was younger than today とyoungerを1回言えばわかるところを、重ねるように so much younger と加えている。今よりも若かった、本当にもっと若かった頃はね、とためらいと追憶が言葉を一瞬区切っている。素直にストレートに物を言わない、言えない人の言葉使い。考えながら言葉を選びながら話す人の間合い。これは単純な言葉の重複ではなく、思考の跡。「考えずにそうさ 考えられずに」も同じで言葉にためらいのリズムがある。それが音に乗っていく。こういうところを好きになったんだった、と最初の気持ちを思い出しました。

 

今年はエレカシ関係は恵まれていたと思います。恵まれ過ぎて罰が当たりそうなので来年は大人しくすごしたいと思います。

エレファント4は紅白頑張ってね!楽しみにしてます!!

そしてこのブログをたまたまでもお読み頂いたすべての方に御礼申し上げます。お一人お一人に私の言葉よ届けという思いで書いております。来年もお読み頂けましたら幸いです。

それでは、よいお年を!