今更のオアシス

サマーソニック配信のリアム・ギャラガーを見て魂を奪われたので今更ながらですがオアシスの歌詞について感想を書いてみます。作詞はお兄ちゃんのノエルさんですね。

Don’t look back in anger について前々から思っていたのですが、slip と slide がキーワードかと思います。

歌い出しのところから

 

Slip inside the eye of your mind
Don’t you know you might find
A better place to play

 

心の中に入って見て

そうすればもっと良い場所が見つかるかもしれない

 

超有名なサビのところ

And so Sally can wait, she knows it’s too late as we’re walking on by
Her soul slides away, “But don’t look back in anger,” I heard you say

 

サリーは待ってる

もう遅いと知っているけど

それでも一緒に歩きながら

彼女の心はただ過ぎていく

「でも昔のことはもう怒らないで」

君の声が聞こえたよ

 

slip も slide もすーっと滑り込んでいくイメージで、正面から立ち向かう表現ではないんですよね。最初のアルバムには「Slide Away」というタイトルの曲もあるので、この2語はノエルさんの好みなのではないでしょうか。S音も好きなのかも。

私には昔からサビの so Sally can wait のところが炭酸の泡がしゅわわっと浮上するように聞こえます。

暗い部屋の暖炉のそばから立ち上がって夏の盛りの外に出たらサリーが待っていたんじゃないかなと想像して、その時のこみ上げる感情と、気泡が一斉に上がる炭酸水のイメージが重なります。

 

「Champagne Supernova」という曲も炭酸ですよね。

 

Someday you will find me
Caught beneath the landslide
In a champagne supernova
A champagne supernova in the sky

 

いつか君は地すべりに埋もれた僕を見つける

空には炭酸のように弾ける超新星

 

土の中の闇と超新星のまばゆい光の対比。ポンっと栓が飛んでシュワシュワあふれて光の中できらめくシャンペイン。ここでも land”slide” ですね。slide は無意識に好きな言葉ですね、きっと。

「炭酸」は私が好きなイメージなのですが、オアシスの曲はとても炭酸ぽいなと思ってきました。そして改めて歌詞をいろいろ読んでみると、言葉がシンプルで整然としているなと思いました。

 

There are many things that I would
Like to say to you
But I don’t know how

Because maybe
You’re gonna be the one that saves me
And after all
You’re my wonderwall

(Wonderwall)

 

君に言いたいと思っていることがたくさんあるんだけど

どう言っていいかわからないんだ

だってたぶん君は僕を救ってくれるから

やっぱり君は僕のワンダーウォールなんだ

 

難しい語彙無し、構文は文法通りで詩的跳躍は無し。とても読みやすく聴きやすいと思います。言ってることは内向的な青年のつぶやきのよう。

 

 

超メジャー曲の和訳は緊張します。既にいろんな解釈がなされてきただろうから。語彙、文法は辞書で確認し、ネットでいろんな方の訳にも学びつつ、自分が聴いたイメージに近い形に意訳しました。ワンダーウォールの漢字語化は諦めました。wonder は訳すの結構難しいと思う上に、なぜ wall なんだろう・・英語圏における wall とは・・ともやったままなのでしばらく調べたり考えたりします。

 

では、また。