最初はフローライトちゃんです(曲タイトルを擬人化してお送りしております)
君が街を発つ前の日に 僕にくれたお守り
それが今も輝いたまま 君は旅に出ていった
今は何処で何をしているかな 心配なんかしていない
君のことだからな
この歌い出しのところで、ああ、この女の子いいな、と思いました。
自分の世界があって、彼氏を置いて旅に出る行動力とおそらく財力もある。しかも、旅に出る側が、待つ側にお守りを渡す。普通、逆ですよね。これはフローライトちゃんの戦略ではないでしょうか。自分が旅に出ている間に、このお守りを見て自分を思い出してね、他の女の子に目を向けないでね。それと、ほんとに彼氏が好きだという気持ちも込めていて、私を待つあなたに災厄が降りかかりませんように、との祈りを形にして手渡したのですよ。
彼氏の方はというと、「心配『なんか』していない 君のことだから『な』」ってさ、能天気?てか、ちょっとばかだろ、この彼氏。「な」じゃねえ。少しは心配しろ。ほんっとにこの「な」の一音で、この彼氏の性格がよくわかる。大雑把で呑気だけど、明るくて人当たりは悪くない。彼女のことも素直に好き。
ここから先の歌詞は彼氏のモノローグだけで、フローちゃんの動向はわからないのですが、見事なまでの「婦」唱「夫」随なのです。
君が思うよりも君は 僕の日々を変えたんだ
二人でいる夜の闇が あんなに心地いいなんて
この世界のすべてを狭めたのは 自分自身ってことを
君に教わったから
とか
確証なんてのは一つもない でもね僕は迷わない
君が信じたことなんだから 僕にはそれで十分さ
などと、ほんとにこの彼氏は幸せそう。でも、ここまで幸せでいられるのは、本人の性格だけでなく、フローちゃんの彼氏ケア&フォローも上手なんだろうなと思うのです。
やりたいことがある女の子。その世界を彼氏と共有しても構わないけど、自分ひとりで駆けていきたい時と所がある。自分の足がどのくらいのスピードを出せるのか、どこまで高く遠く深く走っていけるのか、試してみたいと思う自分を、彼氏は果たしてどう思うだろうか。私のことを好きでいてくれる男の子。私も心から愛しい。どう緩急をつけてこの気持ちを伝えようか。
とりあえず、このフローライトを持っていてね
私の気持ちをあなたに預けていくから
大事にしてね 見失わないでね
私の体はひとつしかないの
世界を見に行きたいときに
あなたのそばにはいられない
私の中の静かな不安が
できるだけ澄んだ形であなたに伝わりますように
ふと、目を覚ますと隣に彼女が寝ていた。
「えっ、あっ?なに、いつ帰ったの」
思わず起き上がってベッドの上で正座した。
「・・・あー・・おはよう・・・」
「おはよう」
「今朝がたね、こっそりね」
「言ってくれれば起きて待ってたのに」
「いいよう、別に。あたし、今日まで有休。起きるまで寝てる」
「ん、わかった。俺、会社行ってくるわ」
「・・・いってらっしゃい・・・」
もう目も開けられないみたいだ。ま、いいか。うーん、と伸びをした。今日はミーティングがあるけど定時には出れるかな。夕飯どうするかな。なんか買って帰ってきた方がいいよな。外に食いにいく元気なさそうだし。
とんとん、と彼女が背中をたたく。
「どした?」
「今夜、話そうね。いっぱい」
目は閉じたまま。マスカラ、落ち切ってねーし。
「話したいことがたくさん。たくさんある」
「おう、俺も」
「話したいことがたくさん、たくさんある」
「聞いたよ」
「大事なことなので二度言いましたー。へへ」
「寝てろ寝てろ。いいから寝てろ」
そうだよな、大事なことは二度でも三度でも言いたいよな。俺も言うかな。心配はしてなかったけど、ちょっとだけさみしかったよ。四六時中いっしょにいなくてもいいんだけど、やっぱり顔見ると嬉しいよ。会社でさ、彼女に置いてかれたの、ってからかう奴もいるんだけど、俺、そんなことどうだっていいんだ。だって、俺が好きなんだからいいじゃないか。ちょっと変わったとこあるけど、そこが面白いし可愛いし、俺の彼女いいよな、って思う。てか、帰る時間くらい連絡しろよな、出迎えてハグしたかったのに。ま、いいか。今日、俺が帰ったらハグしてもらおう。きっとまだ寝ぼけてよれよれなんだろうけど、めいっぱい抱きしめ合おうな。
上機嫌で出社する彼氏なのでした。
こんな感じかな、このカップル。幸せ甘々エピソードしか浮かびません。私はフローライトちゃんと友達になりたいな、と思うのですが、男のひとが歌う歌の中の女の子と友達になりたいと思ったことってあったかな?うーん、すぐには浮かばない。ちょっと考えてみます。
で、フローちゃんだけでこんなに書いちゃったよ。感想のみで終わろうと思ってたのに、書いてるうちにつるつる話が出てきた。
まだ書きたい女の子いるので書いていいですか?ていうか、書きますね。続く。