米津玄師「KICK BACK」

久しぶりに米津さんの歌の感想です。最新の「KICK BACK」から。

 

「いつか見た地獄のいい所」「良い子だけ迎える天国じゃ どうも生きらんない」世間的にいわゆる悪い子が歌ってるのかなと思いました。自分は地獄に行くと思っていて「幸せになりたい 楽して生きていたい 全部めちゃくちゃにしたい 何もかも消し去りたい あなたのその胸の中」と疾走感あふれる曲とともに本音を叫んでいるかのような歌。一番の本音は幸せになりたいんだなと思った。地獄でも生きられますか?天国に行けるような良い子じゃないけど。良い子になる努力は息苦しいんです。僕のような悪い子もハッピーでラッキーでいられますか?

アニメ「チェンソーマン」の主題歌だそうですが私は漫画もアニメも見ていないので、この歌からどんな話が推測してみました。

チェンソーマンて顔がチェンソーなの??両手も?切り刻む相手に顔から突っ込んでいくのかな・・バランス取るのが難しそう。そのアンバランスさえもが青春の動揺ってことなのかしらん。主人公の悪い子ちゃんは何をやっても認められず褒められず、でも幸せになることを諦めていなくてもがいている最中で、誰か雨をよける傘をさしかけてくれよと思っている。実は周囲には理解者も協力者もいるのに(傘をさし出してくれているのに)気付いていなかったり素直になれなかったり。ああ、でも俺にはチェンソーがあるからぶった切ってやるかと萬屋錦之介ばりに切って切って切りまくっているんですね、きっと。

漫画的な好みの展開としては、ライバルの優等生がいるといいな。「良い子には良い子の戦い方があるんだよ、そこで見てろ!!」とか言って窮地に陥ったチェンソー悪い子ちゃんを助けるの。友情が芽生えているけれど素直になれないチェンソーちゃん。「ありがとうぐらい言えるだろ」「うるせえ、次は俺は助ける!!」「うん、よろしくね。僕は君と違って素直なんだ。助けてほしい時は助けてってちゃんと手を伸ばすから」とチェンソーちゃんの神経を逆なでして去っていく良い子くんなのでした。

絶対こんな話じゃないと思うけど、イマジネーションを刺激してくれる曲だということです。

「4443で外れる炭酸水」は何のこと??とわからなかったので検索して、自動販売機のくじのことではという感想を見て納得しました。米津さんのこういうちょっとわかりにくいとこ好きですね(私がわからなかっただけか)

 

 

「POP SONG」と「Ⅿ八七」の感想ですが、こちらはMVを中心に。

「POP SONG」で演技してましたよね。照れがなくなったと思った。役柄が非現実的だから自分を脇に置いておくのがやりやすいのかなと思った。

「Ⅿ八七」では自分自身の出演だったけど、人前に立つ身体を獲得できたなと思った。それ以前は照れもあったし、特に初期のは世界観が漫画かアニメの方がより良いように思ってました。「Ⅿ八七」では、建物の長方形と直線、コンビナートの円という美しい画面構成の中で歌う米津さんもひとつの構成要素、人型として見事に調和していた。

ライブパフォーマンスも変わったんじゃないかなと期待しているのですが、配信はしないのかな。私のような年配者でも米津さんのステージを観たい人、事情があって(遠方だとか介護だとか)コンサートに足を運べない人には配信は有難いのですが。

 

 

最近はエレカシのおじさんたちの話ばかりしてますが、米津さんのことはずっと想っているし新曲は全部聴いています。でもさ、エレカシのおじさんたちの方が老い先短いでしょ?先に語っとかないと。

以下、私以外にはどうでもいい話ですが備忘録として。「lemon」がヒットした2018年の夏、米津さんはツイッターで何かぐずぐずつぶやいていたんですね。自分は仕事で妥協したくないとかなんとか。いかにも若いなあと思いつつ、客が見てるとこで素でぐずぐず言ってんじゃねえぞ米津ゴラァ周りもしっかり教育せんかいと思ってました。

あれだけのヒット曲を出したんだから天狗になってる振りでもして世間を油断させるくらいでいいのに真面目だなあ、でもなんか知らないけど悩んでいるのであれば誉め言葉を書いといてあげようと思いました。私にしてみれば米津さんの歌詞について語らないでいられるなんて信じられないのですが、世の中は歌詞についてさほど語らない。これではミュージシャンも自分の歌の何が良いのかわからないこともあるかもしれないと思いました。ブログの文章もあんまり褒められてないですよね。散文も上手なのに。31才なんてこれからようやく本格的な仕事人生が始まる年頃じゃないですか。まだまだ褒めて伸ばさないと。

本人がエゴサして読んでも読まなくてもよし、米津さんのファンの方でもどなたでも読んでも読まなくてもよし。ここに私の言葉を記しておくことは大海の一滴に過ぎないけれど、この一滴で海の大きさは変わる。そう信じて書いています。

米津さんへのお礼の気持ちも大きいです。私の気力を蘇らせてくれたのは米津さんです。こういう歌詞を書く人を私は長年待っていたのだと目覚めさせてくれました。

目が覚めて気力体力充実したところでね、赤羽駅で今宵のメロディを聴いてしまって宮本のおじさんのことをはたと思い出して現在に至っているのですが、この時、湘南新宿ラインの中でハチ名義の「花束と水葬」を聴いていました。赤羽に着いたら電車がちょっと長めに停車して、いつもはしないのにイヤホンを外してぼーっとしてたら今宵が流れてきて、私の耳には「お前が好きなのは俺だろ」って聞こえてしまったんですよ。2019年2月のことでした。

 

 

結局エレカシの話かよって突っ込みはお母さん受け付けません。ケンちゃん、ツアー頑張ってね。ていうか真面目に配信お願いします。セトリにゴーゴー幽霊船があるじゃないの。これ好きなんだよなー。アイネクライネも聴きたいです。ではまたね。