歌詞について聞いてみたいこと その3

歌詞について聞いてみたいこと。今回は奥田民生さんです。初めて言及するのでちょっと説明しておくと、同世代のバンドは20代の頃にそこそこ聴き倒したのでユニコーンも聴いていたのと、ユニコーンは少女漫画家さんのファンが多かったので特に印象が強かったんです。

 

質問はひとつだけです。奥田さんの語彙の成り立ちが私にはまったく見えなくて、「大迷惑」を聞いた時からとても不思議な存在でした。ご自身の言葉のルーツはどういうものだと思ってらっしゃるのか聞きたいです。

 

奥田さんの歌詞は私にはホバリングしているように聞こえます。ずっと地面から浮いて漂っている感じ。最近ループミュージックというものを知ったのですが、これの言葉版という感じでもあります。

「大迷惑」の歌詞で何がびっくりしたかというと、会社に転勤を命じられて妻と離れて単身赴任、それが「迷惑」というスタンスだったことです。私が転勤族育ちで転勤は当たり前と思っていたというのもありますが、転勤というシステムに対して抵抗したり拒絶したりするわけでもなく、ただ「迷惑」と感想を述べている歌詞。これは私が10代の頃に流行り出した「むかつく」と同じスタンスだと思いました。

むかつく、と対象に感想を言うだけで何もしないこの言葉は、無気力世代と言われた私の中高時代の世の中を象徴するような新語でした。社会と戦うのではなく、学校で窓ガラス割ったりして校内という狭い世界での暴力行為が猛威をふるった世代です。

奥田さんはそういう時代の気分を意図したのかしないのか、ともかく歌にしたんだな、すごいなと思いました。それ以来、新曲を耳にするとつい聞き入ってしまいます。相変わらず言葉が滞空しているなと思いながら。

以前テレビで「あまり考えてないから」というようなことをおっしゃっていて、物事を論理的に考えていないという意味かなと思いましたが、ホントに何も考えてなかったらここまで音楽で食ってこれなかったのではと私は思うので、世間で言う論理的な説明はいいので、奥田さん風味の表現で言葉のルーツを事細かに語ってほしいです。本とか漫画とか地元の言葉とか。どなたかインタビュアーさんお願いします。冷静に考えるとこの質問を30年以上持ち続けているんだなと思ったので今回書いてみました。いやまあ答えは得られないので今後も曲を聞き続けるしかないですが。

あ、つまり、この質問はどなたでも使っていいのでそれくらい知りたいということです。

 

 

短いですが、以上です。では、また。