君死にたまふことなかれ ヌナの願い

2017年12月、SHINeeのジョンヒョンが自死する前、お姉さんにそれが察せられるメッセージを送ったそうだ。お姉さんはすぐ警察に通報する。でも、間に合わなかった。

2018年1月、女優ハ・ジウォンの弟で俳優のチョン・テスも自ら亡くなった。

ふたりとも鬱病だったと報じられている。

 

今月16日、チャン・グンソク躁鬱病を公表して入隊した。またこの病気なのか、と重い気持ちで記事を読んだ。3人とも世界中にファンがいて、多くの関心と愛情を寄せられている。それでも何故こうなってしまうのか、それとも病は愛情の授受とはなんの関係もないからなのか。一介のファンですら悲しむものを、お身内の方やともに仕事をしてきた方たちの胸中はいかばかりかと思う。

 

韓国芸能界では、ちょっと前まで歌手や役者の住所が公表されていて、ファンが家に行ったりしていたらしい。芸能人の扱いがいかに無防備で雑だったかがわかる。待遇改善を理由に事務所ともめるケースも目につく。売れる前の若い女性が「接待」をさせられることも噂ばかりではないらしい。

私は素人なので何も断言はできないが、そこから「世界の韓流」に昇りつめるためには、実務的にも意識改革という意味でも、並大抵の努力では済まなかっただろうと思う。

 

チャン・グンソクくんは、最初に日本でコンサートを開いたとき、ホールの半分しか席が埋まってなかったそうだ。それで、毎年必ず日本でコンサートをして、いつかきっと満員にしてみせると思ったらしい。それはやがて叶うことになるのだが、この男気、生真面目さ、しかも見せる姿は日本人の好感度に合わせた「かわいいグンちゃん」だったのだから、どれだけのエネルギーを使ったことだろうかと今更ながら思う。

 

なぜ病気になったのかなど、誰にもわかりはしない。病気になってしまったら、どうつき合っていくかを考えるしかない。

チャン・グンソクくんは一人っ子でお姉さんはいない。でも、世界中のヌナ(お姉さん)が見守っていることが伝わるといい。心からの愛情が届くといい。